和歌山毒物カレー事件から10余年…

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今日(昨日?)は、いわゆる和歌山毒物カレー事件の上告審が開かれたんですね。
この事件、平成10年7月に起きたんですよね。
ちょうどそのころ、私は司法試験の論文試験(二次試験)を終えたばかりで、口述試験(三次試験)に向けて準備を始めたころでしたので、よく覚えています。
食べ物に何か変なものを入れるのって、すごく陰険ですよね。
だって、出された方は、昔の殿様みたいにお毒見役でもいない限り、まず確実に口にするじゃないですか。
しかもそれがヒ素(亜ヒ酸?)だったなんて言ったら。
なんて卑怯な犯罪だと、非常に憤ったことをよく覚えています。
ただ、その後の報道によると、この事件では状況証拠しかない、ということのようですね。
「状況証拠しかない」ということは、すなわち「被告人と犯罪の実行行為を直接結びつける証拠がない」ということだと思われます。
例えば、毒物が混入された状況を見た人物がいない、毒物そのものも被告人の周囲からみつかっていない、被告人自身も否認している、といった状況を指します。
もし上記のとおりだとすると、その前提で有罪死刑判決というのは、相当勇気が要りますね。
一審や高裁の裁判官は、一体どのような事実認定を行い、どのような思考経過で有罪+死刑相当と判断したのでしょうか。
非常に興味がありますね。
「被告人以外には犯罪を犯すことができた人物はいない」というような判断も非常に怖いところです。
やはり刑事裁判の原則は、「疑わしきは罰せず」なのですから。
というわけで、4月21日の判決言い渡しが非常に気になります。
ではまた。