前横浜市長と民事裁判教官

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プロ野球ドラフト会議、今年もドラマがありましたね。
我が巨人は中央大学の沢村投手を一本釣りしたようです。
これにはいろいろな意見があるようですが、沢村投手が意中の球団に入団できることは喜ばしいことだと思います。
やはり就職先は大事ですよね。今後のモチベーション維持のためにも。
毎度のことですが、月末はいつも注目の判決が目白押し。
年末ないし年度末が近づくとなおさらです。
そんな中で、私の司法修習時代の民事裁判教官であられる大段裁判官が裁判長を務める裁判体による、前横浜市長の中田宏氏が名誉毀損で講談社(週刊現代)を訴えていた訴訟の判決言い渡しがありました。
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講談社に550万円賠償命令=中田前横浜市長の名誉棄損―東京地裁
時事通信 10月29日(金)17時29分配信
 飲み会で女性にわいせつ行為をしたなどと週刊誌「週刊現代」で報道され、名誉を傷つけられたとして、中田宏・前横浜市長が発行元の講談社に5500万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が29日、東京地裁であった。大段亨裁判長は「真実とは認められない」として、550万円の支払いと同誌への謝罪広告掲載を命じた。
 問題となったのは、中田前市長が現職だった2007年10、11月の号に掲載された記事3本。前市長が看護学校生だった女性にわいせつ行為をしたり、女性関係を口外しないよう市議をどう喝したりしたと報じた。
 判決で大段裁判長は「強く口止めされた被害女性が、突然の取材依頼に応じたのは不自然」などと判断した。
 また、週刊現代側に女性を紹介した市議らや、どう喝されたという市議は、前市長と対立していたと指摘。「反市長派である以上、信用性を慎重に吟味するべきだった」とし、必要な裏付け取材が行われなかったと認定した。
 判決後に記者会見した前市長は「言論をおかしなことに使えば民主主義の否定につながる。こういうやり方はよくないと示す意味で、社会のプラスになる」と話した。
 講談社広報室の話 判決の事実認定は誤っており、即刻控訴する。
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記事掲載に当たって、必要な裏付取材はほとんど行われていなかった、というのが大段裁判官の事実認定のようです。
ということは、深読みすると、「裏付取材は一応行われているが、形式的なものに過ぎず、『必要な裏付取材』とはいえない」ということなのかなと思います。
その辺りが、「強く口止めされた被害女性が、突然の取材依頼に応じたのは不自然」とか、「(週刊現代側に女性を紹介した市儀らや、恫喝されたという市議は、前市長と対立していたのだから)反市長派である以上、信用性を慎重に吟味するべきだった」という判示にあらわれているのでしょうね。
確かに、何らかの意図を持って、いわばマッチポンプ状態で世に流布される記事というものは存在します。
そういった悪質な記事を掲載した者に対し、薄っぺらい裏付取材だけで「真実と信じるに足りる相当の理由があった」と認定してしまうことは合理性を欠くであろうと、私も思います。
ただ、その裏付取材が本当に薄っぺらい極めて形式的なものなのかどうか。
果たしてその裏付取材をもって「真実と信じるに足りる相当の理由」と評価しうるのか。
その点の見極めが非常に難しいのだと思います。
余談ですが、大段教官は、非常にまじめな方です。
とても明るい方ですし、運動も得意のご様子で、ソフトボール大会で一緒に内野を守ったこともあります。
ただ、かなりまじめな方なので、あまりくだけた話題はお得意でなかったような印象です。
男女の機微、みたいな話題で盛り上がった記憶は、残念ながらないんですよね。
酒席も一次会で帰られることが多かった記憶です。
そのような大段裁判官の訴訟指揮及び事実認定のもとに下されたこの判決。
講談社側は控訴する意向のようなので、果たして控訴審でもこの判決が維持されるのか、つい注目してしまいます。
ではまた。