下請いじめはいけません!

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「下請代金支払遅延等防止法」(フツーは「下請法」などと略されてます)って、ご存知ですか?
独占禁止法第19条の特別法なのですが、下請業務の内容(製造委託・修理委託など)と、親事業者と下請事業者それぞれの資本金額関係(例:親事業者の資本金が1500万円で、下請事業者は個人の自営業者である場合など)によっては、この法律の適用があります。
この法律の適用があると、親事業者には、「下請事業者に書面を交付して代金額などの下請業務内容を明確にしなければならない」とか、「下請代金の支払日を明確に定めなければならない」など、4つの義務が課せられるのです。
また、親事業者には、「買いたたき禁止」とか、「下請代金の支払遅延禁止」とか、「下請代金の不当減額禁止」とか、合計11の禁止行為が発生します。
これによって、下請事業者を保護し、もって日本の産業を保護しようというのが、この法律の狙いです。
大会社といえども、結局その業態を支えているのは社員だけではありません。
世の中に多数存する下請事業者あってこその大会社なんですよね。
下請事業者の中に、大会社も及ばないような素晴らしい技術を持っている方々が多数いらっしゃるのは、皆様もご存知ですよね。
下請事業者を守るということは、結局親事業者を守ることでもあるのです。
この法律に反すると、親事業者にはキツーイお仕置きがあります。
一番キツイのはやはり公正取引委員会の勧告及び違反行為の公表でしょうね。
昨日日経にも出てた↓のニュースなどは、その典型例です。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090325-00000625-san-soci
親事業者の方は、重要なコンプライアンスの一環として、自社に下請法違反がないかどうかを検証された方がよいと思います。
勧告だけでもキツイのに、マスコミに公表されてしまうと相当キツイですよね。
下請法は、弁護士業界的には非常にマイナーな法律です。
一つには、この種の問題が類型的に裁判所に持ち込まれることが少ないことが上げられます。
誰しも親事業者相手のケンカはこわいものですよね。
また、下請法違反そのものによる私法上の効果が明確でない(=下請法違反による損害賠償請求、のような定めがない)ことも、弁護士や裁判所の介在を妨げる一因かなと思います。
しかし、やはり弁護士が介在してこそ、初めて法律は生きたものになると思います。
弁護士過疎の問題などでよく言われますが、「弁護士がいないということは、法律がないのと一緒」なのです。
私は、現在中小企業庁管轄の「下請かけこみ寺」等の事業に携わっております。
先日横浜国際ホテルで下請法トップセミナーの講師も担当させて頂きました。
下請事業者を守ることで、結果的に親事業者も守るという、下請法の理念に強く共感しております。
もし分からないこと等があったら、遠慮なく当方までご相談下さい。
今日は弁護士らしく書いてみました。
ではまた。