とんだ筋違い

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またしても弁護士が犠牲となってしまいました。
本当に痛ましいニュースです。
どう考えても筋違い・逆恨みとしか思えません。
ニュース(1)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
剪定ばさみで弁護士刺殺 66歳の男を現行犯逮捕 秋田
産経新聞 11月4日(木)7時42分配信
 4日午前4時ごろ、秋田市泉北の弁護士、津谷裕貴(つや・ひろたか)さん(55)の妻(53)から「主人を殺すと言って男が来ている」と110番通報があった。警察官らが津谷さん宅に駆けつけ、寝室で血を流して倒れている津谷さんを発見。津谷さんは腹などを刺されて意識不明となっており、搬送先の病院で死亡が確認された。
 県警秋田中央署は殺人未遂の現行犯で、寝室にいた同市泉中央、職業不詳、菅原勝男容疑者(66)を逮捕した。同署は容疑を殺人に切り替え、動機などを詳しく調べる。
 同署によると、菅原容疑者は津谷さんに約20年前から借金問題を相談するなどし、顔見知りだった。菅原容疑者は「殺そうとして(津谷さん宅に)来たのは事実だが、もみ合っているうちに刺さった」と容疑を一部否認している。
 同署の調べでは、菅原容疑者は用意した剪定(せんてい)ばさみの片方の刃(刃渡り約20センチ)で津谷さんの腹部などを刺したとみられる。
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津谷先生、本当に無念だったことでしょう。
まさか20年来の顔見知りが、午前4時ころに剪定ばさみを持って殺害目的で突然自宅に侵入してくるなどとは、夢にも思わなかったことでしょう。
目の前で夫が刺殺されるシーンを見てしまわれた奥様のことも心配です。

ニュース(2)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
逮捕の男、拳銃所持か=離婚調停に不満も―弁護士殺害・秋田県警
時事通信 11月4日(木)19時55分配信
 秋田市の弁護士津谷裕貴さん(55)が自宅で男に刺殺された事件で、逮捕された無職菅原勝男容疑者(66)が拳銃のようなものを持って津谷さん宅に侵入したことが4日、秋田県警捜査1課などの調べで分かった。県警は本物かどうか鑑定を進めている。
 菅原容疑者は調べに対し、津谷さんが妻側の代理人を務めていた離婚調停について不満を口にしているほか、津谷さんに相談していた借金に関しても「解決されず恨んでいた」との趣旨の供述をしているという。県警は一連のトラブルと事件の関連を調べている。
 また、津谷さんの死因は出血死と判明。胸と腹に刺し傷があり、胸の傷は心臓に達していた。
 県警によると、菅原容疑者は「玄関脇の窓を石で割って侵入した」と供述。津谷さんの妻(53)の110番で警察官2人が到着した際、津谷さんは菅原容疑者から拳銃のようなものを取り上げ、もみ合っていたという。発砲はなかった。
 警察官はいったん2人を引き離したが、菅原容疑者は分解して1本にした刃渡り約20センチの枝切りばさみを持ち出し、警察官に突進。警察官が避けると、今度は津谷さんに向かい、もつれ合って倒れた。津谷さんはこのとき刺されたとみられる。
 県警は「警察官が到着してから2分間の出来事で、非常に難しい現場だった。(警察の)落ち度という認識はない」としている。 

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離婚調停に不満??
離婚調停というのは、裁判所を間に挟んではいますが、つまりは当事者同士の話し合いです。
奥さんに見切りをつけられたのは誰のせいでもなく、ただひとえに自分のせいじゃないのでしょうか。
なぜその怒りが弁護士に向かうのか、全く分かりません。
弁護士を殺したところで何の問題解決にもなりません。
このアホは、そんな当たり前のことにも思い至らなかったのでしょうか。
ニュース(3)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
警察官が弁護士を犯人と誤認、そのスキに刺す
読売新聞 11月4日(木)22時3分配信
 秋田市の弁護士津谷(つや)裕貴(ひろたか)さん(55)が刺殺された事件で、現場に駆けつけた秋田県警の警察官2人が同市泉中央、無職菅原勝男容疑者(66)を殺人未遂容疑(殺人容疑に切り替え)で現行犯逮捕する前、津谷さんを犯人と勘違いし、津谷さんを取り押さえていたことが4日、分かった。
 津谷さんが菅原容疑者から拳銃のようなものを奪い取って持っていたためだが、このすきをついて菅原容疑者は隠し持っていた刃物で津谷さんを刺した。捜査幹部は読売新聞の取材に「容疑者と被害者を判別できなかった」と誤認を認めている。
 県警の発表によると、菅原容疑者が津谷さん宅に押しかけたのは4日午前4時頃。菅原容疑者は拳銃のようなものを手にしており、津谷さんと室内でもみ合いになった。津谷さんが拳銃のようなものを奪い取ったところに、110番を受けた警察官2人が到着した
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警察官の過失についてはもう少し続報を待ってから述べたいと思います。
現段階では、明らかに秋田県警にも過失があったのではないかとしか思えませんが、情報が少ない段階であまり先走ったことを述べるわけにもいきません。
今年6月、我が横浜弁護士会でも、やはり離婚問題からの逆恨みで、若手弁護士が凶刃の餌食にされてしまいました。
トラブルの内容の詳細は、刑事公判が始まればいずれ明らかにされることと思いますが、どう考えても逆恨みとしか思えません。
万が一あんなアホの刑事弁護が回ってきたらどうしようなどとも思っていましたが、回ってこなくてほっと一息です。
この事件の刑事弁護を担当される横弁の会員がどなたなのかまだ存じ上げませんが、その刑事弁護魂に心から敬意を表したいと思います。
しかし、本当に幼いというか、アホな大人たちが増えたな、という印象です。
精神はガキのまま、無駄にトシを食っただけだから、配偶者に愛想をつかされるのではないでしょうか。
ちょっと考えればどう考えても百害あって一利なしの愚行に出てしまうのは、想像力の欠如及びこらえ性のなさからではないかと思います。
皮肉なことに、いい弁護士であるほど、こういったアホ相手の場合ほど燃えるものです。
だって、当事者の方は、こんなアホが相手だから、ご自分では対応が出来ないわけです。
だから、弁護士を頼ってこられるのです。
そういった方の信頼を意気に感じて、少しでもその方のために頑張りたいと思う弁護士ほど、こういった危険にさらされるリスクも大きいように思います。
理解しがたいアホが増えた現代ニッポン。
そんなやつらを相手にしなくてはならない弁護士の事件さばきは、より一層の高度さ・精緻さを求められているようです。
ではまた。