民事再生手続の顛末

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2月末に私が代理人として民事再生申立を行った会社の件。
残念ながら、申立当時に想定していた事業スポンサー候補会社に、何と支援を見送られてしまいました。
その後も何とかして事業スポンサーをと、あらゆるつてを頼って探しに探したのですが、結局事業スポンサーは現れませんでした。
売上がたたず、販管費もまかなえず、事業を継続するとかえって負債が膨らんでしまうという悪循環に陥ってしまい、非常に残念ながら、民事再生手続を断念せざるを得ませんでした。
そしてこのほど、裁判所から破産手続開始決定が発令され、破産管財人が選任される運びとなりました。
非常に可能性があると思われる分野の研究開発を手がけていた会社だけに、本当に残念です。
ただ、事業スポンサーが現れなかったということは、つまり、現時点での事業内容(将来性も含めて)では追加投資に見合わないというのが業界の判断、ということになります。
どの事業スポンサー候補も、最初は非常に興味を持ってくれて、事業所を視察したり、提供サンプルを検証してOKを出してくれるなど、非常に前向きなのです。
しかし、最終的に資金を拠出できるかという話になるとNOになってしまうという、この繰り返しでした。
細かい技術的な話をここでしても仕方ないので、それは割愛します。
ただ、私の抱いた素朴な印象は、
「不景気が投資判断に与える悪影響はやはり大きい」
というものでした。
日本の景気が良くて、このような研究開発を抱えるだけの体力と余裕(いわば車のハンドルの遊び)が各企業にあれば、きっと事業スポンサーは見つかったと思うのですね。
3ヶ月間全力を尽くした結果ですので、私も社長も従業員も納得はしていますが、本当に残念です。
今回の件を通じて、改めて民事再生の奥深さを再認識しました。
やはり私は、民事再生手続が大好きのようです。
次回また別件で民事再生申立代理人を務めさせていただけるチャンスがあれば、ベストを尽くします。
もしも民事再生申立を検討中の会社の方々がいらしたら、ぜひご相談ください。
ではまた。